
ADL「ヘイト暴力のピラミッド」の 批判的再考 (3回シリーズ)

こんにちは!みなさんは「ヘイトのピラミッド」という図をご存知でしょうか?これは、アメリカ合衆国の市民団体アンチ・ディファメーション・リーグ(ADL)が提唱したものです。
この上向きピラミッドのモデルでは、差別や偏見が個人の内心や小さな行動から始まり、それが徐々にピラミッドの上方向に向けて深刻化していくとされています。具体的には、無意識の偏見やステレオタイプ、差別的なジョークや言葉から始まり、嫌がらせ、社会的排除、暴力、そして最終的にはジェノサイドに至るという段階的な進行を図示しています。
しかし、こと人種差別に関していうならば、本当にそうなのか?
今回は、以下の三つの連載記事をとおして、この上向きピラミッドをひっくり返して考えてみようと思います。下向きのピラミッド図示をとおして、差別や憎悪の連鎖を断ち切るための本質的な解決策について考察してみたいと思います。
第1回:「ピラミッドを上下反転させてみよう!」
連載の第1回目では、上向きピラミッドでは描かれずに、意識から抜け落ちがちな3つの要素について考えてみたいと思います。①政府の責任 ②被害者 ③時間軸 という3要素です。これらが、人種差別への効果的な対策を考えていくうえで、いかに大切な視点か、考えてみたいと思います。
そして、これら3要素に意識を向けてもらえる図解とは、どのようなものになるのか、考えてみたいと思います。
第2回:「ジェノサイドの下地は政府主導で作られる~上向きピラミッドの因果の誤り」
第3回:「あなたの日常が勝負!」
最後の記事では、私たち一人ひとりにできることを考えます。
刑事処罰に頼れない現実、そして政府の過去及び現在の差別政策からの多大な影響を受ける現実を前にしながらであっても、私たち市民一人一人の小さな行動を、日々、重ねていくことの大切さを説いていきたいと思います。
2024.11.25 弁護士 冨増四季